知財自在

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社会人が大学院に通うことを勧める理由

某企業の知財部に勤務する弁理士です。

 

数年前の話になりますが、私は、都内にある社会人大学院(情報系の内容も入った経営系)に在職のまま通い、無事、2つ目の修士号を取得しました(1つ目は22歳から24歳にかけて工学部(化学系)からストレートに進学した際のもの)。

さらに2020年4月から別の大学院の社会人博士(経営系の内容も入った情報系)に入学する予定です。

 

本日のタイトルにもありますが、中年の社会人が大学院に立て続けに通う意味、それは自分のコアスキルを補完するためです。

 

企業で一定期間以上勤務すると、自分のスキルの賞味期限がそれほど長くない、あるいは、他により興味を持てそうな分野がある、と感じることは、誰でも1度や2度あると思います。そこで今からでも新たなスキルを身に付けたい、しかし年齢などを考慮するとやはり難しいかも・・・、このような想いは多くの人が持っていることでしょう。

 

そのような想いを実現するための手段として、私は、社会人大学院に通うことをお勧めします。

理由は以下の3つです。

1.行く人が少なく希少価値を狙える上、きっちりと勉強した印象を与えられるので社内でも一目置かれやすい。

2.  学んだ内容にもよるが、転職機会が得られる可能性が高まる。

3.  時間・費用は意外と何とかなる。

 

以下にその詳細を説明します。

1.  行く人が少なく希少価値を狙える上、きっちりと勉強した印象を与えられるので社内でも一目置かれやすい。

世の中は、自己啓発ブームで仕事に関する本を読んだり、資格取得のために勉強している、という人は大勢います。しかし大学院にまで通う、という人は中々いません。

私の現在の職場には、知財関連業務のメンバーは、50人くらい居ます。あくまで話として聞いている範囲内ですが、その中で大学院に通っていたのは私1人だけです(資格の勉強をしている、あるいは過去にしていたメンバーは6、7人は居ます)。そのため、大学院で学んだ内容は、例えば弁理士試験で身に付ける内容と比べ、希少価値を発揮しやすくなると思います。

私が修士の学生として通った大学院は統計・データ解析を売りにした経営系の社会人大学院で、今流行りのAI・機械学習も少しかじることができました。そのためか、最近社内でトレンドになっているAI・ITを活用した特許業務効率化の打ち合わせなどにも、一応関連する内容を学んだ者として一目置かれ、出席を要請されることがあります。

このような結果は、自己啓発として単に公開セミナーに通った、あるいはWeb・本で独学で勉強した、という程度では得られなかったと思います。

やはり修士課程のような学校に短くない期間(2年間)通って、少なくとも研究活動をやり終える程度(私が通った大学院では修士の研究とそれに伴う修論作成も必須でした)の知識を身につけたと見做されたから得られたものと考えられます。

このように社会人が勤務後に通う大学院であっても、そこを修了した実績については、企業は一定の評価をしてくれる(もちろん給料がすぐに上がるとかではないですが)と思われます。

 

2.  学んだ内容にもよるが、転職機会が得られる可能性が高まる。

同級生約30名の中で私と同じ40代は10名くらい居たと思います。その内、2名が学んだ内容を活かして転職(知財コンサルやデータ分析関連の企業)したと聞いています。40代というと通常は求人数も限られてくる中、2割が早々に次の職場を決めたというのはすごいことだと思います。学んだ内容が今流行りの統計・データ解析に関するものとはいえ、やはり自分のこれまでの業務経験に新しい得意分野をプラスすることは、自らの人生の選択肢を増やすようです。

 

3.  時間・費用は意外と何とかなる。

ここまでこの記事を読んでくれた人の中には、「意味があることは分かったけど、時間・費用の面から自分には現実的でない」と思う方も多いと思います。しかし私の経験からすると、これらは意外と何とかなるものでした。

最近は、夜間・土日開講の大学院も多くありますし、中には国立のものもあります(私が通っていた大学院もそうでした)。よって時間的には、さすがに平日0日というわけにはいかないですが、平日2日くらい6時、7時に会社を出られれば、土曜日と合わせて、問題なく大学院を修了できる時間の確保は可能です。

また授業料については、私立なら2年間で300万とか言わてしまう場合もありますが、国立であれば2年間で130万くらいです。また長期履修制度を設けている大学院(修士課程で当該制度を設けているところは少ないかもしれません。博士課程では多く見られます)もありこれを活用すると期間は長くかかりますが、毎月の支払いは安く抑えられます。例えば4年間で修士を修了する場合、国立だと月の支払いは2万代になります。もちろん普通のサラリーマンにはこれでも痛い出費ですが、全く検討できない金額ではないと思います。

 

<本日のまとめ>

新しいスキルを一から身に付けるのは、一定の年齢以降は難しいと思いがちです。しかし社会人大学院に通うことで可能性が高まると思います。これに意味がある理由は以下の通りです。

1.行く人が少なく希少価値を狙える上、きっちりと勉強した印象を与えられるので社内でも一目置かれやすい。

2.  学んだ内容にもよるが、転職機会が得られる可能性が高まる。

3.  時間・費用は意外と何とかなる。

 

本日は以上です。