40代の非管理職から、転職して1年で昇格・年収増を実現できた、知財部勤務の弁理士です。
このブログを読んでいただいている方の中には、日々スキルアップのための勉強や、よりレベルの高い業務を行うための行動を頑張っているのに、なかなか昇進やいい業績評価につながらず、モヤモヤを抱えているという知財部員もおられると思います。
私自身は研究開発業務を経て、30代半ばに自らの希望で知財業務に従事しましたが、研究開発部門、知財部門のいずれでも、20代、30代のうちは全く目が出ず、前の会社ではその他大勢の評価に甘んじていました。
しかし40代に差し掛かるあたりから(転職もしましたので)、以下を意識したところ、最初は少しずつですが、周囲の評価が好転し始め、最終的には直属の上司に気に入られ、上述の通りいい評価をもらうことができました。
そこで今回は、自発的に勉強するなど、スキルアップを頑張っているのに認められてないと感じる知財部員が業績評価を上げるにはどうすれば良いか、私の意見を以下に示したいと思います。
これまでの経験から効果があると言えることは、以下の1点です。
○上司(会社)をクライアントのように考える
事務所のように明確なクライアントがいたり、あるいは定量評価できる売り上げがある知財部はほとんどありません。よって知財部員は、”上司には嫌われているがお客さんからは評価されている、あるいは売り上げを多くあげている”、というアピールのしようがありません。
そうすると当たり前ですが、直接仕事を依頼・結果をチェックしている上司の印象がそのまま業績評価になってしまいます。
よって認められ、収入を上げるためには、中々受け入れることは難しいのですが、上司をクライアントと捉える、それが無理なら(実は、私もそこまでは無理なのですが)、せめて上司の依頼には全力で応え、また仕事を頼みたいと上司に思わせようと努力することが必要不可欠となります。
今、自分が上司の立場になって振り返っても、20代、30代の頃は自分のスキルをどう上げるかばかり考えていて、上司や会社の期待に応える、という意識が欠落していたように思います。
アサインされた仕事に対して、成長につながらない、スキルが上がらないなどの不満ばかりを述べ、あたかも自分がお客で、自分の成長のための教育を提供するサービス業者が上司、であるかのような言動を当時はしてしまっていました。
しかし30代の後半になっても一向に芽が出ない自分に嫌気がさし、というか俺は評価なんて気にしないと言いながら、実際は同期の昇進に一喜一憂していた状況を変えたいと思い、なぜ業績評価がその他大勢になるのか?(自分としては提案型で業務をし、自己啓発にも熱心に取り組んでいるのに)を冷静に分析してみた、つまり認められることが早かった同期、先輩と自分の行動を比較してみたのです。
すると、彼らはスキルアップやいわゆる意識が高い行動にも少しは取り組むものの、むしろあまり深く考えずに、素直に上司の言われたこと、会社で決まったことを受け入れ、すぐに行動に移していた点(例えば会社で支給された格好良くない作業着を文句を言わず活用する、多くの社員が面倒だと感じる情報セキュリティの確認手順書が発行されても、すぐにその内容通りの確認を行うなど)が、私と決定的に異なることが見えてきたのです。
要は、スキルや専門知識のような職業人として本質的な内容でなく、会社や上司に対する普段の態度、素直さのようなものが業績評価上の大きな差になっているように、私には思えました。
そこで私は転職して会社が変わったことを好機に、上述した早く認められている人がやっていることで自分はできていなかったことを実直に実践してみました。
具体的には、前の職場と比べて遅れていると感じても、今の会社や部署のルールをまずは不満を言わず受け入れ、他の転職者よりも早くにそのやり方を身に付けるようにしました。
また上司の期待に応えるべく、上司が決定したことに異議を唱えることを最小限にとどめ、賛成を大きな声で伝えるとともに、決まったことをすぐに実行に移しました。
するとどうでしょう?
前の会社では考えられなかったような、いい言葉(評価される言葉)を上司や周囲からもかけてもらえるようになり、スキルスキルと言っていた頃よりもはるかにスキルアップに繋がりそうないい業務にもアサインしてもらえるようになりました。さらに上述の通り、比較的早いタイミングで上司が引き上げてくれ、結果、収入アップにもつなげることができました。
私のごくささやかな成功の全ての原因が上述の意識をしたからではないと思いますが、重要な一要因にはなったと確信していますので、今回は上記の話をしました。
私と同じような境遇でお悩みの方はぜひ試してみてもらえればと思います。
<本日のまとめ>
知財部員が、高い評価を勝ち取るには、スキルや意識の高い行動よりもまずは、
上司(会社)をクライアントのように考える
を意識してみてください。
自分に対する周囲の態度に、何らかの変化を感じられると思います。
本日は以上です。